認知症ケアに携わる看護師には、日常の看護ケアにおいて心がけたいポイントがいくつかあります。

1つ目は、患者さんの症状をそのまま受け入れる姿勢を持つことです。認知症という疾患は、患っていない人にとっては理解できない言動が少なくありません。しかし、それを批判したり修正しようとしても、患者さんにストレスを与えるだけで、症状の改善にはつながらないもの。そのため、この疾患をそのまま受け入れたうえで、本人の気持ちに共感することで、患者さんとの信頼関係を築けるでしょう。

2つ目は、患者さんの尊厳を守るという点です。どんな患者さんでも認知症を患う前には家事や育児、そして仕事をしてきた人であり、認知症によって通常の生活を送れなくなったジレンマやストレスを感じているもの。そうした患者さんに対して、看護師が「ケアをしてあげる」という態度では、残念ながら患者さんにとってはプラスのメッセージとはならないといえます。

3つ目は、患者さんの残存機能を大切にするという点になります。看護する側は良かれと思って本人ができることまで代わりにやってしまいがち。しかし、これでは、本人の残存機能を低下させることにつながり、患者さん自身にとってはマイナスとなってしまいます。認知症は心身様々な機能が少しずつ低下するものの、残存機能を大切に生かし、できるだけ積極的に使うことで患者さん自身の心の安定にもつながるのです。

上記を心がけながら、患者さんと向き合って優しく愛情をもってケアをすれば、患者さんとの信頼関係が構築できるでしょう。